露MELODIYA　オイストラフ親子　プロコフィエフ：2vnのためのソナタ、ヘンデル、タルティーニ　奇跡の合奏！

露MELODIYA D5670-1  オイストラフ親子(vn)、A.ギンスブルク(pf)の演奏で、プロコフィエフ、ヘンデル他。10インチ・フラット・レニングラード・オリジナル。

・第一面(オイストラフ親子(vn))…プロコフィエフ：2vnのためのソナタ。

・第二面(オイストラフ親子(vn)、A.ギンスブルク(pf))…ヘンデル：2vnとpfのためのソナタ(Op.2-7)、タルティーニ：2vnとpfのためのソナタ。

オイストラフ親子の演奏を聴くときは、いつもこの親子の近くて遠い複雑な関係性が感じられる気がします。両者の芸術性はかなり異なる気がしますし、それでもお互いに心を通わせようとする思いもあって、まるで見えない手で握手をするような。このMELODIYA初期のフラット盤の、美味しい時期に録音されたプロコフィエフにはそんな二人の奇跡のような合奏が刻まれています。第一楽章は二つの音は切り立って離れ、互いに視認する程度。第二楽章になると空間がやや重なり始め、妖しいあわいが生まれだす。そして第三楽章、ここに至って、音がいやに心を揺さぶるのを感じ取っていただけると思います。悲しみのなかひしゃげて穏やかで、これはプロコフィエフの牧歌だ。なぜか分からぬままに涙腺にきて、心が感動しているのに気づきます。オイストラフ親子が音楽的に出逢った瞬間です。第四楽章では離れ業のように音が合わさって、音楽がその内腑からケタケタと笑っている。阿吽の呼吸とでもいえばいいのか、実際の音ではなくて空間を介してつながっているような。この二人の芸術家が一心同体になったらキメラのような異種混淆の完成形をつくりだす。幻のような幽かな生き物、浮遊する魂、聞こえない音まで聞こえてくる奇跡のような合奏です。名手アンドン・ギンスブルクを加えての裏面も素晴らしく、ヘンデルの精神性、タルティーニの清楚な有機性も心に響きます。しかしやはり、親子二人だけのプロコフィエフでの演奏が忘れられない音楽ですね。この親子のなかでも最高峰の一つです。大推薦。

盤質：盤面溝とも良い状態。ほとんど美品。

ジャケ：共通ジャケ。

【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。

美品(Ｍ)：新品並みの状態。

ほとんど美品(ＮＭ)：極浅い擦れや軽微な傷。

きわめて良好(ＥＸ)：年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。

良好(ＶＧ)：擦れや傷などが目立つ。＊音溝が活きてなければ出しません。

■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。