1966年7月に放送が開始され、2021年に放送55周年を迎えた「ウルトラマン」。最も派生テレビシリーズが作られたテレビ番組としてギネス世界記録にも認定されているウルトラマンシリーズは、専門ショップがあるほど幅広いグッズが半世紀以上販売されてきた。レアものから子どもの玩具まで、いまや親子三代が楽しめるアイテムが満載だ。
ウルトラマングッズは子ども達が遊びで使う玩具と、放送当時の思い出や憧れを求める大人のためのコレクターズアイテムがある。放送されていた頃に販売されていたグッズは希少価値が高く、技術の進歩によって再設計されたフィギュアなどはギミックなどが凝っており、インテリアとしてさりげなく飾りたいアイテムが多い。
半世紀以上の歴史となったウルトラマンシリーズは、途中テレビシリーズがない時期もあったが、日本の子ども達が一度は通る道。ウルトラマン自体もウルトラの父・ウルトラマンタロウ・ウルトラマンタイガが三世代、ウルトラセブンとその息子であるウルトラマンゼロ、さらにウルトラマンティガの流れをくむウルトラマントリガーなど、ウルトラマン自体が違う世代を同時に取り込んでおり、視聴者自身それぞれが憧れたヒーローがいるはずで、その世代ごとのウルトラマンや怪獣のフィギュアを集める楽しさがある。
いまでも売られているウルトラマンや怪獣のソフビといった、お手軽に楽しめるグッズから、放送当時販売されていた現在では入手困難なソフビまで、そのバリエーションは広く、自分に合った集め方ができる。
ウルトラマンは現在でも基本的な姿が変わらないことでもわかるように、時が過ぎて大人になったいまでも鑑賞に堪えるデザインなのが魅力だ。また商品製作技術の進歩によって、いわゆるおもちゃ然とした作りではない、ディテールにこだわったグッズも増えており、まさに大人の趣味といえるアイテムになっている。怪獣たちも同様で、生き物としての魅力が50年以上経ったいまでも伝わってくる。バルタン星人やゼットンなど、多少のマイナーチェンジはありながらも、何度もシリーズ内で登場していたり、キングジョーのように防衛隊のロボットとしても活用されたりと、親子三代で同じ怪獣を知っていて、楽しむことができるという点が怪獣ソフビの特徴だ。
ウルトラマンシリーズに登場するメカニックは、未来のデバイスや乗り物がフィーチャーされている。バッジからアンテナを伸ばしたり、腕時計型のウェアラブルデバイスでビデオ通信ができるといった設定は、黒電話しかなかった時代からすると、未来の先取りであり、その先見性に驚くとともに、子どもから羨望のまなざしで見られていた。そうしたプロップが忠実に再現されているウルトラレプリカは、そこに置いておくだけでワクワクするだろう。
防衛隊のメカニックでは、福島空港に設置されているジェットビートルのように、いまそこにあってもなんら違和感のないデザインというのがウルトラメカニックの特徴でもある。さらに分離合体するウルトラホークや、様々な武器を搭載した自動車、あるいはマグマライザーのように先端にドリルがつき、地中を突き進んでいけるようなメカも登場する。可変翼でシャープなデザインのガッツウィングなども含め、どれをとっても、まさに男の浪漫だ。
子どもの頃、高くて手が出なかったおもちゃが大人になって手が届く範囲となっていることも多い。当時の物価から考えると値上がりはしているものの、おもちゃ自体は割安になっている。コレクターズアイテムはまさにそうした大人をターゲットとしたアイテムで、大人の趣味となりうるものだ。さらにS.H.Figuartsなどは対象年齢が15歳以上となっており、最初から大人をターゲットにしている。
フィギュア類はかなり精巧な造形のアイテムが増えており、インテリアとしてさりげなく飾るのも大人っぽい。その分、エクスプラス
ウルトラシリーズフィギュアのように値段がはるものも多く、限定生産のアイテムがほとんどだが、それだけの価値があるということだ。最近ではヒューマンスケールのウルトラマンフィギュアといったものも商品化されており、コレクターズ心がくすぐられる。
コロナ禍で公開が延期されていた庵野秀明・樋口真嗣コンビによる映画「シン・ウルトラマン」がついに公開され、このリブートによって初代ウルトラマンの魅力が再び見直されることも予想される。単なるノスタルジーではなく、これからも続いていくだろうウルトラマンとそのグッズの魅力はますます高まっていくだろう。
著者:MOVIEW 清水
映画・アニメ・特撮サイト「MOVIEW」を運営。ウルトラシリーズ初期の脚本家を務めた金城哲夫氏の実家で、金城哲夫資料館のある料亭「松風苑」のすき焼きがおいしかったので次はしゃぶしゃぶを食べたいと思っている。
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